たとえばパンフレットにある外観パースには必ず断わり書きがあるのも、こういった配慮からである。「この外観図は図面を基に描き起こしたもので、実際とは多少異なります」たかが外観パースごときでそんなに慎重になる必要はないのでは、と思いきやそうでもない。事実、外壁の色が、契約したときにパースで説明されたものと、現実にできあがったものとが明らかにちがうとして、買い主が契約解除を主張した例もある。昭和四六年〔一九七一〕の建設省通達にも、重要事項説明内容の追加として、建物の内装と外装についても、塗装の状況等を説明することが義務づけられている。となると、この点に関する説明にウソがあれば、業者は、不動産業者を取り締まる法律、宅地建物取引業法(以下、宅建業法)違反に問われるわけだ。話し合いの結果、外壁の色はたしかにマンション購入を動機づける重要な要素であるが、それが共用部分であるかぎり簡単には変更できないので、分譲業者はしぶしぶ契約解除に応じたのである。そうなると結局、業者にしてみれば説明義務のないことは聞かれないかぎり、極力あいまいにしておいた方が自分のリスクは低くなる。そしてあいまいな部分が増えるということは、工事中、すでに契約済みの人になにも断りなく変更できる内容が増えることにつながるわけだ。買い主に説明しなければいくらでも変更可能?買い主に断りなく変更するなんてそれこそ違法行為ではないか。ある人はこう尋ねるだろう
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