保険会社に対して証明する

借り入れを起こせば借入先の金融機関は抵当権を登記しているから、かれらが土地の権利を主張するのは目に見えている。当然、金融機関といっても都市銀行だけとはかぎらない。種々雑多な抵当権者たちが、死体に群がるハイエナのように瞬時に乗り込んでくるのである。こういう債権回収にかけてはプロの相手を向こうに回して、マンションの買い主がさらに上手を行くような手立てを講ずることなどできるはずがない。手付金等の保全のない買い主は、買ったマンションを取得することもできなければ、十中八、九、支払済みのカネも回収できないという事態に追い込まれるのである。さらに倒産ではなく、分譲業者の資金繰り悪化で引渡しが遅れるような事態が起きてしまうと、手付金等の保証書を持っている買い主とて安心してはいられなくなる。普通に考えれば、分譲業者が倒産したというほうが悲惨に聞こえるかもしれないが、保証書を手にしている人の立場に立てば、いちがいにそうとはいいきれない。むしろ倒産してくれたほうがどれだけ良かったことかということだってありうるのだ。つまり、いくら保証書があっても、この保証システムというのは、買い主に建物が引き渡されないことが明白に証明されないかぎりは作動されないからだ。仮に自分の購入したマンションが、いつ引き渡されるかわからない、という状態に陥ったとしても、この先、もう自分には引き渡される可能性は百パーセントなくなったと、銀行や保険会社に対して証明することはむずかしい

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